パーキンソン病の歴史と現在

パーキンソン病

1817年ロンドンの医者ジェームス・パーキンソンから名前がついた病名です。

 

パーキンソン病とは身体の動きに対して指令を出す脳の中の神経伝達物質(ドーパミン)の減少によりおこる病気です。症状としては手足のふるえやこわばり、歩行障害、身体の動かが遅くなるといった運動障害だけでなく、睡眠障害、うつ病や便秘などの自律神経障害の影響からくる非運動障害である症状が報告されています。

 

現在日本では約16万人ほどと言われ、多くは50-60代で発症します。パーキンソン病は加齢と共に増加傾向にあり、今後この数はさらに増えていくと予測されています。発症率は1000人に1人と言われていますが、65歳以上になってくると100人に1人と報告されています。

 

パーキンソン病の代表的な初期症状

運動症候(四徴):目に見えやすい症状

1. 振戦(ふるえ):手、足、あごなどのふるえ

2. 拘縮(こわばり):関節の曲げ伸ばしがギシギシする

3. 無動(動きが少ない):足が出ない、動作が鈍くなる

4. 姿勢保持障害(バランスが悪く転びやすくなる)

 

非運動症候:目に見えなくく気づきにくい症状

1.自律神経症状(便秘、頻尿、発汗障害、立ちくらみ、ヨダレやむせる)

2.精神症状 (不安、うつ、幻覚)

3.認知症状

4.幻聴・幻覚・幻視(全経過でみると40%の患者に見られる):アルツハイマーの薬が有効

5.嗅覚障害

など。。

脳内でおこっていること

ドーパミンを産生する中脳黒質の神経が脱落。 悪玉タンパク質、レビー小体を蓄積。神経をじわじわと弱らせ死なせてしまう(神経変性)が起こってします。

それにより、ドーパミンの量が減少する事で運動の指令がうまく伝わらず身体の動きが不自由になる。

ドーパミンの働きは体を動かす指示だけでなく、やる気ホルモンとしても知られています。なので、ドーパミン減少が起こると「喜びを感じなくなる」「やる気が起きにくい」状態になりやすくなります。

 

パーキンソン病とどうやって診断する?

現在はパーキンソン病だと診断できる検査はありません。

なので、どちらかと言うと他の病気ではないと消去法で決定する状態です。

 

主な流れとしては

1.丁寧な問診(日常の状態や病歴のチェックなど)

2.身体審査(神経系)

補助検査

1.血液・尿検査:異常なし(異常があれば逆に他の病気)

2.脳CT・MRI:異常なし(異常があれば逆に他の病気)

3.ダットスキャン(ドーパミン神経の脱落を評価)

4.MIBG心筋シンチグラム(心臓の自律神経障害を評価)

5.アミロイドPET(悪玉タンパク質の蓄積を確認)

6.嗅覚テスト

ー>パーキンソン病の80~90%の患者さんで嗅覚低下がみられる

ー>運動症状より前に出現することもある

ー>嗅覚低下のひどい患者さんは認知症になりやすい

****ニオイに鈍感になったら要注意!!!